このBlogについて
記事は掲載直後は微修正することがあります。ほそぼそtwitterもやってます (Mac46084909)。
カテゴリ
全体 記事タイトル総覧 Mac Mac_Mac Pro 2010 Mac_Mac Pro 2008 Mac_Mac Pro 2006 Mac_Mac Mini Mac_Hacintosh オーディオ キーボード カメラ・光学機器 双眼鏡 顕微鏡 車 よもやま 時計 映画・ドラマ サブカルチャー Mac_iMac 2017 5K 未分類 最新のコメント
検索
以前の記事
その他のジャンル
記事ランキング
画像一覧
|
妻の仕事の都合で、しばらく離れて暮らすことになった。で、計算に使われていたMacProも(彼女は私のことを気遣って渋ったのだけど)妻の元に送った。私の自宅での作業はそれほど重いものはないので、もう一台の、AppleTV化した、1GhzにアップグレードしたPowerMac G4 で事足りると思っていた。 が、やはりMacProとの落差はあまりに大きく、特に動画と写真操作関連はでイライラさせられる事態がしばしば起こった。職場のSingle G5では不満を感じないので、Leopardの時代、G4はちょっと厳しいんですな。 人間、一度不満を覚えるとケサまで不満である。ハードディスクがATAパラレル、しかも例のBigDriveの足かせで120Gbまでしか認識しないのも気になりだした。DVDをため込んだ500Gbのハードディスクは外付けケースに退避したものの、転送は遅いは電源は無駄だわ(...と思っているだけだが)、臨界に達するのは速かった。 一方で、私の希望の「拡張可能なCore2Duoデスクトップ」はいつまでも出そうにない...ということで、Hacintoshを作ることにした。いわゆる普通のPCにLeopardを入れる、Psystarな、Frankenな、OSx86マシンである。 Hacintoshの世界は、最近は「MacWorld」の編集者までが試してみるほど普及?している。当初はカスタマイズされたLeopard DVDの.imgファイルがアングラに配布されている状態だったのが、純正DVDから直接インストールできるBoot用CDのイメージファイルが出てきたころからぐっと敷居が低くなった。 うまくいくか分からないので、できるだけ安く上げたい。流用できそうな手持ちの機材は光学ドライブ、SATAハードディスクだ。Leopard DVDは持っているので、CPU、マザーボード、メモリ、電源とケースがあればハードはできる。 そして、そこに天佑が。久しぶりに例のゴミ捨て場に行ったら、Dell Dimension 4300 が無傷で落ちていた。無傷というのは他のSeekerの餌食になっていないということで、ハードディスクは、たぶん元持ち主によって抜かれていたものの、他は手つかずであった。ケースもどういう用途で使われていたのか分からないが、綺麗であった。 Dimension 4300は2000年初頭に登場し、Dellの中でたぶん初めてPentium 4を積んだコンシューマ向けミドルタワーだ。ポリタンクMacと同じく、筐体がヒンジで割れるようにできており、またハードディスクや拡張カードがマウンタを介してネジ止め無しで装着でき、メンテナンス性にすぐれている。ケースデザインはさすがにMacほどのデザイン性はなく、00年代前半のDell臭ムンムンだが、背面をのぞいてブラックとパープルの分厚いプラスチックで覆われており、安っぽさは感じない。 また、利点がもう一つ。DellはApple同様、カスタムパーツを多用しているが、この機種から電源はATX互換である。私は、ハイテクゴミのつーんとした臭いの中、電源とケースが一度に手に入ると皮算用し、重い筐体を引きずって帰った。 (↓長いので続きにします) もう一つ問題があった。Dimensionのフロントパネルの電源スイッチや、HDDアクセス用のLED、USB端子などは専用のボードに乗っており、リボンケーブルでマザーボードにつながっている。コネクタは一般のものではないし、ピンアサインは公表されていないから、一般のマザーボードにつなげない。海外のマニア向け掲示板まで調べたがわからず、結局、コードを専用ボードに直接ハンダ付けしてマザーボードまで引っぱった。 以上の調べ物&ケースの分解・加工&パーツ組み込みに日曜の朝から夕方までかかった。組んだパーツは以下のものだ。 マザーボード:Gigabyte GA-EG31MF-S2 8,100円 メモリ:UMAX Pulsar DDR2 800Mhz 1Gb×2 4,500円 CPU:Intel Pentium Dual-Core E5200 9,800円 GPUカード:ATI Radeon HD2400pro 256Mb 2,980円(これだけ中古) しめて26,000円。あとフロントにファンコン+USBユニットを増設して2,000円、ケースファンその他こみで3万円以下におさまった。 Leopardインストールにはboot-146-bumby-isoを使ったが、BIOS設定後30分ほどでインストールできた。当然だがWindowsは必要ない。あっけないほどである。10.5.5へのアップデートも「ソフトウェア・アップデート」で普通にできた。 引っかかったのはグラフィックと、サウンドで、ともにドライバがなかった。サウンドチップ(ALC888)は想定内で、少苦労でドライバを見つけることができた。一方、グラフィックは当初オンボードのIntel GMA 3100を楽観していて調べもしていなかったのが、Macに搭載例がなく、OSX向けのドライバがない。それで近くの中古屋でHD2400proをこれまた調べもせず適当に買ったのだが、やっぱり純正ドライバがなく、1024x768に固定されてしまう。どうやらNVIDIAの方が簡単みたいですな。海外サイトを通じてカスタムドライバを入手し、ようやく映った。この苦労で初めて知ったのだが、Quartz Extremeが効かないと、DVDプレーヤが起動しなかったり、純正のスクリーンセーバーで写真を映したりできない。Quartz Extremeって何やってるのか今イチ実感がわかなかったけど、けっこう大事なんですな。 このあたりの苦労にさらに足かけ2日程度かけ、一応完成である。今この文章もHacintoshで書いているが、安定しているし、使っている分にはHacintoshであることを全く意識しない。 私がGigabyteのマザーボードを選んだ理由は、メモリスロットが4つあること、FireWireポートがあること、GigabitEtherがあること、オンボードグラフィックがあることだった。グラフィックは当てが外れたが、他はうまく動いている。メモリスロットはまだ2つ空いているので、安価に4Gbへアップ・グレードできる。また、BIOSのおかげで、E5200をオーバークロックできる楽しみも残っている。もちろん、Gigabyteが保証しているQuadCoreに載せ替えることも可能だ。グラフィックカードの変更や(PC用のが使える!)、PCIカードの追加もできる。これらのことは、Macminiや、iMacでは簡単にできないことである。 静粛性も優秀で、ファンレスグラフィックカードに、排気ファンとCPUファンのみという構成のせいか、とても静かだ(そもそも、Dimension 4300は静粛性に定評があった)。ケースファンが1つしかないが、E5200は40℃前後で冷え冷えだ。ワットメーターで測ると、上記の構成にハードディスクを2台追加して、アイドル時80W、エンコード時で100W程度である。G4の15%増し、MacProの半分以下だ。Dellの電源が、今どき控えめな250Wなので心配していたが、しばらくは大丈夫そうだ。 ここまでは、3万円で大満足...のように見えるが、では、人にすすめられるかというと、そうはいかない。 まず、いくつかの不具合がある。まず、うちのHacintoshは正常にシャットダウンしない。うまくいくときもあるが、多くの場合、画面が暗くなるが(ならないときもある)、ファンは回ったままだ。スリープも同様で、しかも復帰しない。こうなると、ハードディスクにアクセスしていないことを確認し、電源ボタンを長押しして強制終了するしかない。 起動も面倒で、電源ボタンを押した後、3回ほどDarwinのコマンド操作をしなければデスクトップにたどり着かない。オートマチックにできるらしいが、いずれにせよターミナルやコマンドプロンプトをいじる程度のスキルが必要である。 グラフィックも、うちの場合DVI出力ができない。 これらのことは、自己満足でやっている私にとっては(少なくとも今は)苦にならないが、コンピューターそのものに興味がない人にはハードルが高いだろう。 もちろん、ライセンスの問題もある。AppleはMac以外のハードウェアへのOSXのインストールを認めていない。将来のソフトウェア・アップデートによって、起動しなくなる可能性は低くない。実際、今回感じたのは、インストールがこれだけ簡単になったなら、Appleが何らかの対策を取ってくる可能性があるなということだ。私は用心のため、ソフトウェア・アップデートを切っている(くしくもこれは、Psystarのマシンの仕様と同じだ)。さらに、ご存じの方は多いと思うが、特定のハードウェアでインストールと起動を保証したUSBドングルが販売されている。Appleが何らかの決断を下す日は近いと思う。 こうした要素を考えると、Macを買うという意味ではそれほどお買い得ではない。今回投じた資金は確かに3万円だが、流用した筐体、電源、光学ドライブ、ハードディスク、OSを新品で買ったら、さらに3万円以上かかるだろう。さらにモニタを持っていないとなれば、新品、または再整備品のiMacが充分射程に入ってくる。こちらはマウス・キーボードが付いて、そもそも完全にMacintoshなのである。 ただ、私にとってはある意味皮肉なことに、Hacintoshで味わうさまざまなドキドキは、なんとなくSystem 6〜7.5くらいまで時代のMacの気分に通じるものがあって妙に楽しく、懐かしい。Macに限らず、あの頃のコンピューターはアップデートするのにも勇気が必要だった。
by mactki
| 2008-10-01 00:32
| Mac_Hacintosh
|
ファン申請 |
||